インフルエンザ2002

*これは、院内配布されたものを掲載しています

Vol. 011

2002.10.21発行

編集人:目々澤肇

禁無断転載

 江戸川区でも11月第3週に、インフルエンザに感染していた症例が報告されました。マスコミでも、「今年は流行の始まりが早そうだ」という情報を流しています。
 さらに、江戸川区では65歳以上の高年齢の方にワクチン接種費用の約半分を公費負担するための接種票の全員配布をおこなっため、例年より数多くの方々が予防接種を受けに来院されています。

 さて、高齢者はインフルエンザにかかったとき、肺炎に進展して生命予後に影響が出やすいことがわかっていますが、お子さんに関してはどうでしょうか。実は、乳幼児の場合、確率は低いものの、インフルエンザ感染に際し「脳症」をおこし、意識障害を生じたり脳後遺症を残すような危険性があります。しかし、発症48時間以内であれば有効な抗インフルエンザウィルス薬があり(まだ今のところは成人用でしかありませんが、当院では量を計算してお子さんにも投与しております)、初期治療が可能ならさほど重症化する可能性は低いはずです。そこで、お子さんのワクチン接種につき、当院では下記の4段階に分けてご説明しています。

●生後3〜6ヶ月程度のお子さんでは出生時のお母さんからもらった免疫があり発症する可能性は低いとされており、ワクチン接種の必要性は薄いといえます。この程度の状況ではお子さんよりも親御さんたちの接種の方が有効かと考えられます。

●また、1歳6ヶ月を過ぎ、体も十分に大きくなり、他のお子さんとの接触も頻繁になると感染する可能性が高くなって来るため、ワクチン接種は有意義であるといえます。

●6ヶ月〜1歳6ヶ月のお子さんはケースバイケースで例えば大きいご兄弟がおり、保育園や幼稚園から感染を持ち込む可能性があったり、この冬に人混みにお子さんをお連れになる可能性がある場合などはご両親が希望されれば接種をする、というかたちを採らせていただいています。

●普段から感染にかかりやすい体質のお子さんや、受験生など、特殊な状況お子さんについてはアレルギーの状況さえ許せば、接種を受ける価値があります。

 インフルエンザワクチンは今日かなり改良が進み、アレルギーを生じる可能性は低くなっています。とはいえ、ワクチン接種に際してはは接種部の腫れ、微熱などのほか、いくつかの副反応が起こる可能性もゼロではありません。ご不明の点は接種前によくご相談ください。

 


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